歌舞伎の部屋

日千両散る山吹は江戸の華
江戸時代には魚河岸、芝居、吉原に一日千両の小判が散った言います。

落語にも歌舞伎の噺が多いです。

歌舞伎といえば忠臣蔵です。落語でも「淀五郎」、「四段目」、「中村仲蔵」、などの演目名が目立ちます。いずれも、人気落語です。

当然ながら、12月14日の義士討ち入りの前後に集中することが多いんですが、時期や季節をさほど選ばない演目も多く有ります。
赤穂義士の討ち入り事件を取り上げているわけではなく、あくまで、芝居「仮名手本忠臣蔵」を題材に取っているのが興味深いですね。

四段目
「淀五郎」は、沢村淀五郎が抜擢されたが、判官切腹の演技がうまくいかない。淀五郎、四代目市川団蔵、初代中村仲蔵、三者三様の役どころが見事な芝居人情噺。

同じく「四段目」は、芝居好きをとがめられて蔵に押し込められた丁稚が、蔵にしまってあった本物の刀を見つけて芝居の真似をしているのを、あわてものの奉公人が見つけ、「丁稚が自刃する」と、大慌て…。

「御前~」「待ちかねた~」の落ちは同じです。

四段目のセリフ「遅かりし由良之助」にはちょっと危ない噺があります。
判官の死後、瑤泉院は寂しさの余り、由良之助に頼んで「慰めの道具」(張形)を買った。が、翌日、由良之助が訪ねると、「細かりし由良之助」―この不謹慎さが落語の生命力です。

五段目は
何といっても「中村仲蔵」。山賊のように演じられていた斧定九郎役を、現在のような白塗りの役に作り変えた初代中村仲蔵の苦労噺。

七段目
「七段目」もやはり、芝居好きの商家の奉公人の噺。芝居の真似して階段のてっぺんから転げ落ち、「てっぺんから落ちたのか?」「いいえ、七段目」。いい落ちです。途中の「ばか。小僧に夫がいてたまるか!!」のセリフも笑えます。

「権助芝居」「蛙茶番」(共に素人芝居)、「猫の忠信」(全編、千本櫻のパロディ)や「寝床」(途中で浄瑠璃語り)
「きゃいのう」「武助馬」などなど芝居関係の噺は面白いですね。

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